『もののけ姫』のエボシ御前。「エボシ様」とタタラ場の人々から慕われるかたわら、一方で容赦ない側面をもち合わせる人物で、それが魅力的な部分ともなっています。
このエボシ様に声を吹き込んでいるのは田中裕子さん。実はゲド戦記のクモ役でもあります。ここではエボシ御前の声優についてまとめていきます。
エボシとは?
タタラ集団の長であるエボシ御前。身なりは白拍子を思わせるものがありますが、性格は冷静沈着。
過去に人身売買され、倭寇の頭目の妻にされるも、次第に組織を支配するようになった後、頭目を自らの手で殺害し明の兵器と共に日本へ帰ってきた
頭は切れるし、強い。
「賢しらにわずかな不運を見せびらかすな」と言うセリフ。
よほどの修羅場をくぐってきたと見え、アシタカの行為がとてもチープに見えているようです。アシタカはそういうつもりではないのですが。
【もののけ姫】アシタカの声優は松田洋治!ナウシカのアスベルも同じ声
売られた女たちや社会から差別を受けてきたハンセン病の患者達にはすごく温かなな反面、病気でない男達にはモロから襲われた時も見捨たり、シシ神退治に動員したりと冷淡な部分があります。
この二面性にはエボシの過去への執着も影響しているでしょうし、「国崩し」という大きな目的の遂行という意思も見られます。
売られた女たちはエボシに救われ(買われ)このタタラ場で働き、ご飯を食べることができています。
しかし、女たちがタタラを踏んで作った鉄は売られた後、刀となり侍の武器となり戦に利用されます。
【もののけ姫】タタラ場の舞台は島根!内部は小樽の鰊御殿がモデル
戦乱の世。食えない人間が雑兵となり、一冬を越すために売れる材料となる「人」をその鉄の刀で狩るわけです。雑兵目線での戦場についてはこちらが参考になります↓
自分たちが作った鉄が自分たちのような女を作り出している矛盾にタタラ場の女達は気づいてはいない様子。ただただ自分を救ってくれたエボシを慕っている印象です。
女たちがタタラを踏んだ鉄で病者に作らせた石火矢。エボシがそれを女達にもたせて侍に向けた意味。これはエボシの作ったタタラ場の矛盾の打破と考えられています。
エボシ様の声優は田中裕子!ゲド戦記でもでてくるよ
このエボシの声を担当するのが田中裕子さん。日本の代表的な女優さんのお一人ですね。
平均視聴率52.6%という今では考えられない視聴率を叩き出した連続テレビ小説『おしん』(1983年)。
この主役・田倉しんを演じられたのが田中裕子さん。ちなみに最高視聴率は62.9%!テレビドラマ史上最高視聴率と言われています。
ざっくりとした経歴をみるに、
1955年4月29日生まれ
1978年
明治大学在学中に文学座入団
1979年
NHKテレビ小説『マー姉ちゃん』で主役の妹(長谷川町子)役としてデビュー
1981年
映画『ええじゃないか』『北斎漫画』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞受賞
1983年
連続テレビ小説『おしん』主役
1983年
映画『天城越え』でモントリオール世界映画祭主演女優賞受賞
1985年
文学座退団
2005年
映画『いつか読書する日』『火火』でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞受賞
2010年
『Mother』で第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演女優賞受賞
紫綬褒章受章
2013年
映画『共喰い』『はじまりのみち』でキネマ旬報ベスト・テン助演女優賞受賞
エボシの艶っぽくもあり、だれにも媚びない凛とした声はイケメンすぎてうっとりします。
田中裕子さんはドラマや映画、舞台がメインの活動をされているので、案外アニメ作品は少ないです。
エボシの他には『ゲド戦記』クモの声を担当されています。
クモもなんだか可愛いそうな生き物でした…。「人」って言っていいのかどうかもわからないです。クモの雰囲気に合わせて声色を調整されていたようで、誰が演じているのか知らない方は田中さんの声と知って驚いた方もいらしたようです。
まとめ
・エボシは冷淡と温かな面を極端に併せ持つ
・演じるのは女優・田中裕子さん
・『ゲド戦記』クモの声も同じ
関連記事
コメント