「万引き家族」で是枝裕和監督が日本人監督としては21年振りとなる快挙のカンヌ国際映画祭パルムドール賞の受賞し、大きな話題になりましたね。
その反響の大きさからなんだかすごい賞を受賞したのだということは分かりますが、あまり映画に詳しくない方からすると「パルムドール賞って一体何?」という疑問がわいてくるのではないでしょうか。
そこで、パルムドール賞というのはどんなものなのか、その意味や過去の日本映画受賞作品を見ていきましょう。
パルムドール賞って何?意味もみてみた
簡単にいえばパルムドール賞は、カンヌ国際映画祭の最高賞の名称です。
カンヌ国際映画祭はヴェネツィア国際映画祭、ベルリン国際映画祭と合わせて世界三大映画祭の一つであり、数え切れないほどある世界の映画祭の中でもかなり権威のある賞といってもいいでしょう。
カンヌ国際映画祭はいくつかの部門に分かれて開催されますが、その中心ともいえるコンペティション部門の最高賞=この映画祭の最高賞にあたるのがパルムドール賞です。
パルムドールの意味は、フランス語で「金の棕櫚(シュロ)」。
トロフィーの形がカンヌ市の象徴でもあるシュロの形を模していることから、この名称となったようです。ちなみにこのトロフィーのデザインは、あの偉大な詩人、かつ映画監督でもあったジャン・コクトーが手掛けたものだそうですよ。
参考:
カンヌ国際映画祭の日本映画受賞作品が知りたい!
カンヌ映画祭はパルムドール以外にも様々な賞が存在しています。
最高賞のパルムドール賞を受賞したのは、
1954年「地獄門」で受賞した衣笠貞之助監督、
1980年の「影武者」の黒澤明監督、
そして1983年「楢山節考」、1997年の「うなぎ」で2度受賞した今村昌平監督
そして今回「万引き家族」で受賞した是枝裕和監督の4人のみです。
では、各賞の受賞作品を、賞ごとに分けてご紹介しましょう。
・パルムドール
1954年 衣笠貞之助「地獄門」
1980年 黒澤明「影武者」
1983年 今村昌平「楢山節考」
1997年 今村昌平「うなぎ」
2018年 是枝裕和「万引き家族」
・男優賞
2004年 柳楽優弥「誰も知らない」
・審査員賞
1987年 三國連太郎「親鸞・白い道」
2013年 是枝裕和「そして父になる」
・ある視点部門賞
2008年 黒沢清「トウキョウソナタ 」(審査員賞)
2015年 黒沢清「岸辺の旅 」(監督賞)
2016年 深田晃司「淵に立つ」(審査員賞)
・監督賞
1978年 大島渚「愛の亡霊」
・撮影賞
1952年 杉山公平「源氏物語」
・記録映画賞
1957年 今村貞雄「白い山脈」
・特別表彰
1959年 衣笠貞之助「白鷺」
・審査員特別賞
1960年 市川昆「鍵」
1963年 小林正樹「切腹」
1964年 勅使河原宏「砂の女」
1965年 小林正樹「怪談」
・審査員特別グランプリ
1990年 小栗康平「死の棘」
2007年 河瀬直美「殯の森」
・フランス映画高等技術委員会賞
1961年 市川昆「おとうと」
・青少年向映画賞
1965年 市川昆「東京オリンピック」
・国際批評家賞
1965年 市川昆「東京オリンピック」
1990年 小栗康平「死の棘」
1999年 諏訪敦彦「M/OTHER」
2000年 青山真治「ユリイカ」
2001年 黒沢清「回路」
・芸術貢献賞
1985年 石岡瑛子「Mishima: A Life in Four Chapters」
・カメラ・ドール
1997年 河瀬直美「萌の朱雀」
まとめ
こうして改めて見てみると、パルムドール賞以外の賞を結構日本人が受賞していることがわかりますね。
是枝裕和監督も、今回のパルムドール賞までに審査員賞を受賞、そして2004年に是枝裕和監督が監督をつとめた「誰も知らない」で柳楽優弥さんが男優賞を受賞するなど、カンヌ映画祭に縁があるようです。
パルムドール賞受賞作品、「万引き家族」の公開ももうすぐ。世界的に権威のある賞を受賞した作品、この機会に鑑賞してみてはいかがでしょうか。
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